アサヒビールKIDSプロジェクト・思い出絵画教室

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おかちゃんのお絵かき拝見
第5回「オリジナリティが育つということ」 児童絵画研究家・おかちゃん
今回も施設側の諸事情から、絵の具ではなくクレヨン・マーカーを使っての絵画教室になりました。
前回は、画材が変わったことで特に子どもたちに違和感はなく、すんなりとクレヨンやマーカーを使って描き始める子が多かったのですが、今回は何人かの子どもたちから、
「今日は絵の具は使えないの?」という声が聞かれました。
また、絵の具のときには何枚も意欲的に作品を描く子どもが、クレヨンやマーカーではトーンダウンをしてしまい、1枚か2枚を描くと、さっさと終わりにして教室を後にする姿も見られました。

絵の具という画材は、子どもたちの好奇心や五感を刺激するものなのだな、ということをあらためて実感しました。

ところで、今回の絵画教室で特記するべきことは、ひとりの男の子が夢中で自分だけの物語を描き続けていたことです。
 
その男の子は、施設の先生のお話では、小学校に入学する直前に入所し、それ以前はもしかしたら幼稚園にもほとんど通ったことがないかもしれないということでした。
「思いっきり絵を描いて遊ぶという経験を、彼の場合、今まで一度もしたことがないのかもしれない」と、施設の先生は仰っていました。

絵画教室が始まると、彼はいつも待ちかねたように一番に教室にやって来ます。今日、自分がやりたい事、描きたいことが前もってわかっている様子で、画用紙を取ると迷いもせずに描き始めます。
今回の絵画教室でもそうでした。初めから、
「今日は恐竜たちの戦いを描く」と言っていました。そして、次から次へと画用紙をつなげていき、どんどんどんどん描いていきます。
お話をしながら、自分の中にあるストーリーを絵にしていくその様子は、見ているこちらまでワクワクさせるような楽しさに満ち溢れています。

絵を描くことは楽しい遊び。彼を見ていると、それがよくわかります。
子どもは遊びを通してオリジナリティを育んでいきます。
それは自分の意思で発見し見つけていくもので、けっして他から与えられるものではありません。
オリジナリティが育つということは、子どもがどれだけ夢中になり自分で考えて遊んだかどうか、ということなのではないでしょうか。

何を描こうかとさんざん迷ったあげくに、既成のキャラクターを描いて満足してしまう子どもも多くいます。
借りたものでしか表現できないということは、とても寂しいものだと思います。

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