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| No.8 |
| 「おばけのがっこうへきてください」(岩崎書店) 作:さくら ともこ 絵:いもと ようこ |
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子どもの頃って、運動が得意な子がどうしても目立ってしまうもの。
かけっこが早かったり、なわとびが上手だったり、跳び箱が得意だったりすると、それだけでクラスのヒーロー状態です。
運動が苦手な子どもは、どうしても肩身が狭い。
運動が不得意なことが、どんなにコンプレックスになることか^^;。
そんな子どもには、「がんばればできる!」なんて、励ましは、コンプレックスに拍車をかけるだけ。と、元・運動オンチッ子の私は思う。
つよしくんは、運動がきらい。大の苦手。何をやってもへたなので、みんなから「よわしくん」なんて言われてます。
そんなつよしくんに目をつけて、ぜひうちの学校へ来てください、と頼みに来たのがおばけの学校の校長先生です。
なぜかというと、おばけの学校の生徒たちは、みんな元気がありすぎて活発で、運動が大好き。
おばけがそんなことでは困る、と校長先生は言うのです。
「ぜひ、うちの子どもたちも、あなたさまのようになってもらいたいのです!」
そんな変なスカウトを真に受けて、つよしくんはおばけの学校の先生になりました。
元気いっぱいにかけっこをするおばけの子どもたちには、
「どうしてそんなに早く走るんだ!もっとつよし大先生のように、ゆっくり走らなければいかん!」
パッパッと竹ののぼり棒を上っていくおばけたちには、
「こらぁ、もっと力を抜いてずり落ちなさい。つよし大先生のように」
と、校長先生のゲキが飛びます。
「まったくすばらしい!人間にしておくのはもったいない。みんなもつよし大先生のやり方をよくまねするように」
校長先生に誉められるたび、つよしくんはだんだん変な気持になってきました。
元気でかわいいおばけたちからは、くすくす笑いも聞こえてきます。
「人間の子どもって、運動がへただね」
それを聞いたつよしくんは、思わず胸がじーんとなって涙がこぼれます。
「たいへんだ!ここでぼくががんばらなくちゃ、人間の子どもはみんな弱虫ばかりって思われちゃう!」
つよしくんの中に、今までなかった勇気が湧いてきます。
そしてつよしくんは、跳び箱に向かって力いっぱい走っていきました・・・。
人間の学校では弱虫で情けない子どもだったつよしくんが、おばけの学校ではエリートになってしまう。
けれども、誉められれば誉めれるほど、つよしくんは複雑な気分。
これって、誉められているのかな?
ユーモラスでとっても楽しいお話。
そして、最後につよしくんが持った勇気は、実は子どもが誰でも持っているものだと思います。
子どもがやる気を持ったり、挑戦する勇気を持つのって、誰かに言われたからでもはっぱをかけられたからでもなく、子ども自身が持っている伸びようとする力だと私は思うのです。
あとはきっかけだと、思うのです。そして、それが一番、難しいのだけど。
よわしくんだったつよしくんが、ほんとうの強さを持って、人間の学校へ帰ってきます。
読み終わったあとに、親子で思わずうれしくなる一冊です。
何より、いもとようこさんが描くおばけたちのかわいいこと!見ているだけでうれしくなってきます。
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