 |
| No.1 |
| 『いじわるブッチー』 (徳間書店) 文:バーバラ・ボットナー/絵:ペギー・ラスマン |
 |
 |
 |
 |
おとなになると、子どもの頃のことを忘れてしまう人は多い。
子どもだったとき、毎日をどんな思いで生きていたか・・・。
夕飯のおかずが、大好きなハンバーグだというだけで、どんなに心がときめき、幸せだったことか。
アニメのかっこいい主人公にあこがれ、毎週、テレビで彼に会うことだけを人生の目的にしていたこと。
見られなかったときは、それこそ世界の終わりだった。
けれども、おとなになるとそんなことは全部、忘れてしまう。
だからおとなには解からないのだ。
ささいなことが、どんなに子どもにとって大問題なことか。
「いじわるブッチー」に出てくる、主人公の女の子も、おとなには解からないささいなことで、日々、悩んでいます。彼女にとっては大問題。生活のすべてをおびやかす、いじわるなブッチーの存在。
ブッチーのママとあたしのママは、とっても仲のいいお友だち。
だからブッチーは、ママといっしょにしょっちゅう、うちに遊びに来るの。
ママたちは何にも知らないから言う。
「あんたたちは、ほんとに仲良しね。さぁ、お部屋へ行って、遊んでらっしゃい」。
あたしはそれが嫌で嫌でたまらない。ブッチーなんてだいっ嫌い!
だって、ブッチーはママたちがいなくなると怪獣ブッチーザウルスに変身して、いじわるなことばかりするの。
ブッチーなんて遠くへ行っちゃえばいい。ママにそれを言うと、「いろいろな人と仲良くしなきゃ、だめよ」と言って、取り合ってくれない。
いったい、どうすればいいんだろう・・・。
いじめっ子の存在が、どんなに子どもの生活を脅かし、気持を沈ませることになるか・・・。
子どもたちはきっと主人公の女の子に共感し、自分のことのようにハラハラすることでしょう。それだけに、最後に「あたし」が、ブッチーをやっつける作戦をたてようと決心したとき、子どもたちは「あたし」に心からのエールを送ること、まちがいなしです。
子どもがいじめを乗り越え、戦う勇気を持つまでを、あたたかくユーモラスに見せてくれる楽しい一冊です。
絵本の初めに出てくるブッチーは、とっても憎たらしいのに、読み終わったあと、なぜか憎めないキャラクターになっているのはなぜ(笑)。 |
 |
 |
 |
 |
|
|